[2004年06月01日 23:30]
生で聞いちゃったよ
恵比寿で並んで電車を待っていたとき、私の真横に人が立った。
列に対して直角に。
こちらを向いている。
「怖っ!」と思った。
横目でちらりと見た。
太った白人男性だった。
推定年齢は50歳。
もともとグレイっぽい髪に白いものが混じっている。
電車が来て、乗り込む。
席は空いていない。
私は隣に立ってしまった。
彼は座席を怖い目つきで見渡したと思うと、右手のひらを上に向け、小声で
「Shit!ゴニョゴニョ…」と言った。
座れなかったことに腹を立てているのだろうか?
確かに7人がけの座席に6人しか座っていない。
けれど、全員、成人男性で、つめたところで、あなたは座れまい。
それでも、彼の目の前で携帯をいじっていた青年が、少し、つめた。
しかし、反対側には誰もつめない。
「Fu××in, as× hall…!」
確かに彼はそうつぶやいた。
しかも2回も。
ドキリとした。
映画ではおなじみになっていたが、隣で人が言うのを聞くとは思わなかった。
しかし、英語とは言え、それくらい日本人でも分かるぞ?!
そんなに座りたかったのか?
池袋について、ゾロゾロと人が降りた。
彼もやっと座れて車雑誌をカバンから取り出した。
ほっ、良かったね、と思ったが、様子がおかしい。
彼は雑誌を読まずにキョロキョロあたりを見回している。
そして、ある女性に目を留め、厳しい視線を送り出した。
「こ、今度は何だ?」とこちらがドキドキする。
女性はおかしな服装をしているわけでも、うるさくしているわけでもなかった。
ただ、携帯をいじっているだけだ。
ピンと来た。
彼は座れなかったことに腹を立てたわけではなく、
携帯電話に不快感を示していたのだ。
だから、席を譲ろうとした青年が、相も変わらず携帯をいじっていたのに対して
2回もあの言葉を発したのだろう。
彼の体格からして、心臓疾患があってもおかしくない。
ペースメーカーを着けているか可能性も十分ある。
それに、彼の国では、日本ほど電車などで携帯をいじる人が多くはないかもしれない。
かといって、あの言葉はどうかと思うが…
※写真はかみさんの携帯。何の関係もありません。