|
障害年金 年金機構准職員が不正受給
1年契約の準職員が自分の妻と知人女性になりすまして精神障害があるという医師の診断書を偽造して障害年金手続きをしていたそうだ。
ニュースの流れからはいまいちつかめないが、この男性職員が障害年金を受け取ろうとしたわけではないのだろう。
知人女性の診断書に初診日が記載されていないかった、と書いているということはもう一人申請していた妻のほうの診断書はどうだったのだろうか。
この男性は審査権限はあった。
障害年金というものは多数の病院を転々とした場合でも、初診の病院の診断書が必要になる。それが手に入らなくて障害年金を諦めざるをえないという人もいる。
もしかしたらこの男性は、障害年金の手続き要項を満たしていなかったこの知人女性に対して、どうにかして障害年金を出るようにしてあげようとしたという可能性もある。
妻のほうに関してはニュースでほとんど触れられていないので分からないが、知人女性に関してはその可能性が否定出来ない。
真実は分からないが、ニュースだけ見るとこの男性はただの詐欺未遂の悪い奴、のようにイメージされてしまう。
確かにどんな理由があると法に触れることはよくない。しかし、仮に私の推測である「初診の病院の診断書が手に入らなかった為に障害年金手続きが出来なかった」という理由からこの男性が犯行に及んだ場合、年金手続きを複雑にしたまま問題を放置している国側にも問題があるのではないだろうか。
少なくとも、障害年金の手続きが複雑すぎるという問題は昔から指摘されている。だからこそ行政書士などのプロがいるのだろうけど、そういうプロの存在すら知らない人はまだ世の中には多い。
それに、この初診の病院の診断書が必要という問題は行政書士じゃ解決出来ない。国側のシステムの問題だ。
精神障害などは特に複数の病院を転々とさせられることも多い。その間に引っ越しなどが挟まった場合、さらに手に入れることが困難になる。初診の病院がどこだったか覚えてないなんていうことだってあるだろう。
このニュースから読み取るべきことは、詐欺未遂のこの男性についてではなくて、国の年金システムの問題点についてではないだろうか。
|