2016.12.14
デルタ型3Dプリンター「3Dグレコ」用にPLA樹脂フィラメントを購入して使ってみた。ABS樹脂との違いについて
左が新しく購入したホワイトのPLAフィラメントで、右がこれまで使ってきたABSのホワイトフィラメント。ずいぶん色が違いますが、素材が違うからではなく着色が異なるだけと思われます。
↑左がABS樹脂で印刷(80%縮小)、右がPLA樹脂で印刷。
これまでは特に理由もなくABS樹脂のフィラメントを使用していましたが、PLA樹脂のフィラメントを購入してみました。買ったのは↓
1kgで2000円とえらく安いですが、結果として問題なく使用出来ています。
↓包装。PLAフィラメントは湿気で劣化して使い物にならなくなるそうです。除湿剤入りで密封された状態で届きました。
まず印刷しようとしたのは↓この前、ABS樹脂で印刷したブタの貯金箱。
前回は80%に縮小して印刷したため、1円玉しか入らないという失敗をしたので今回は100%のまま印刷。設定は下記、ABSと比べて印刷温度を240℃→200℃に変更しただけです。Layer Heightはある程度美しく作りたいので0.2mmに設定。
↓印刷開始、ステージに消え色ぴっとくんを塗らないと接着が悪いようですが、塗ると極めて安定して土台部分を出力してくれます。
↓完成、何の問題もありません。
↓底面への接着は消え色ぴっとくんを軽く塗っただけなのもあって、パカっと外れます。底面の写真
↓内部は周囲のサポート材を除去した後の表面アップ。
★ABSとPLAの違いについて。
基本的には溶かす温度以外に大きな違いはありません。表面の質感はABS樹脂の方が落ち着いた感じで「市販のプラスチック」って感じがします。PLA樹脂の表面には軽く光沢があり、あまり美しくないと感じます。
弾力がABS樹脂よりも少なく固い印象です。極薄のサポート材はABS樹脂は柔らかい「サキイカ」って印象ですが、PLA樹脂は弾力はなく、粉々にくだけます。表面のサポート材はポロっと外れ、本体との結合部分も綺麗に剥がせるのでサポート材除去後はPLA樹脂の方が綺麗かもしれませんが、今回印刷したブタの貯金箱のように内部にサポート材がある場合はたいへん除去に苦労しました。そして除去途中のサポート材が尖っていて、手に擦り傷を追う感じ。
PLA樹脂はヤスリで簡単に削れつや消しになります。またドライヤーなどで簡単に柔らかくなるので後加工はしやすい印象。瞬間接着剤で接着も出来ます。ABS樹脂はヤスリでは簡単に削れなかったので材料自体の堅さはABS樹脂が上なのかも、PLA樹脂は「柔軟性」が無いため「固い」触感があると思われます。
ヒートベッドが無いプリンターでは明らかにPLA樹脂のフィラメントが簡単に印刷出来るようです。
ただし、糸をひきやすく、印刷ヘッドの周りにこびりつく現象がたまに見られます。ヘッドが詰まることがあるとのネット情報がありましたが、今のところ経験していません。
強度などが必要なければPLA樹脂フィラメントをメインにすることでヒートベッド無しの3Dプリンターでも快適に使うことが出来そうですが、ヒートベッドをつけてABS樹脂フィラメントを使うのが最も良い感じでしょうか。
Category:【1台目】3Dプリンター「3Dグレコ」でイロイロDIY
■ ■ ■ コメント ■ ■ ■
いいっすね!=16
001 [12.14 17:58]クェら@Biglobe:流石研究職。費用対効果より、研究して試すのが楽しいって感じだね。職業びよーだね? ↑(5)
デルタ型3Dプリンター「3Dグレコ」でうまく印刷するためのTIPS
(1)印刷するためのコード「.gcode」ファイルはフリーソフトCuraで落ちているデータ「.stl」から作れる。
(2)Curaの設定でスタートアップコードにステージの高さをキャリブレーションするためのG29コードを追加する。
(3)ヒートベッドが搭載されていないのでABSは印刷しにくい、PLAの方が綺麗にゆがみなく出力可能。
(3)ABS樹脂でもPLA樹脂でも、ステージには「消え色ピット」をまんべんなく塗り、乾かして使用する。ゴミが溜まってきたらステージを取り外し、水につけると綺麗に取り除ける。マスキングテープをはり、その上に「消え色ピット」を塗るとステージを外して掃除する手間が省ける。
(4)ヘッドが変な動きをしたらモーターとベルトをつなぐイモネジがゆるんでいる可能性があるので締める。
(5)Initial Heightを0.2mmにするとしっかりステージに印刷するオブジェクトが固定される。
(6)印刷前にgcodeファイルをRepetier-Hostなどで確認すると良い、ポイントはきちんとステージに設置しているか、Brimは十分かなど。
ありとあらゆるノウハウがあるのでこのページに書かれている事を最初から最後まで熟読すると良い。
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